楽しいものは山ほどある

終日稽古に入りました。

みんな後半はヘトヘトです。
汗が屋久島のコケにつく雫のように
髪の毛にぶら下がっています。
覚えたセリフは出てきません。
ろれつが回りません。

芝居づくりは、ほんとうにめんどくさい。
時間がかかります。
通常一ヶ月以上の稽古が必要になります。
しかもスケジュールを調整し、みんなと合わせなくてはなりません。
役者個人のセリフや動きはもちろんのこと、
全体(アンサンブル、ソング、ダンス)を合わせないといけませんし、
装置や音楽、小道具や衣裳を準備し、
転換やキッカケも覚えなくてはなりません。
チラシを作成し、宣伝をし、チケットも売らなくてはいけません。

ともかく、めんどくさいのです。

それなのに、演出家はここにきて
また新たなシーンを追加しようとしています。
ある意味、鬼畜です。

出演者の合田真依子が
「良いものになるんだったら、やりましょう!」
当たり前だと思っていても、
それがカラ元気だとしても、
その言葉に救われる。

お芝居に「まぁいいか」は禁物です。
求めるものにニジリ寄り、到達するべく、
ギリギリまでもがくのです。

なぜそこまでして?
芝居がなくなったからって誰が困る?
楽しいものは山ほどある。
のに…。

久次米 健太郎