27日目「手仕事」水谷 純子

今日の稽古では、
私の母が20代の頃に着ていた
ワンピースを引っ張り出してきて、
仮衣装として着用した。

このワンピース、
オーガンジーに朱色がかったオレンジで
細かく美しい刺繍が全体にほどこされ、
全て手縫いで仕上げてある。
実はこれ、若き日の母の手仕事。

そのワンピースに、美しいものを愛し、喜びでいっぱいの母が表現されている。
現代を生きる私たちに、ここまでの気の遠くなる手仕事は到底できない。

ネットでなんでも買い物できてしまう世の中だから。

だけれども、芝居屋はそうはいかない。
芝居にぴったりとはまるものは、そうそう売っていない。
だから、自分たちで作るしかない。

衣装も、小道具も、大道具も。
金はないから、アイデア勝負で。
私は、この舞台でしか味わえない手仕事がこの上なく好きだ。


同じく手仕事を愛するムッテイ(牟田圭吾)が、
ドン・キホーテの衣装小道具製作の
強力な助っ人として稽古場に来てくれた。


アイデアを具現化すべく、事前に下調べをし、
シミュレーションをし、そして、見本を製作。
それに演出家は大いに喜び、ご満悦。



OK!ということで、
匠ムッティ直々に、皆に仕事のやり方をレクチャー。



で、勢いづいて、道具たちを2つほど一気に製作!



稽古場見学に来たはずの
ターキーこと喜多君(異邦人出演者)も
なぜか手伝わされ。

「水谷さん…僕の横顔イケテマスか…?」


衣装ひとつ、道具ひとつにも、
芝居を愛し、喜びでいっぱいの私たちが表現されています。
ぜひ、楽しんで、ご覧ください。