世田谷区民演劇「三人姉妹」本日楽日!

初日は終わりました。
2ステージしかないので本日千穐楽となります。

チェーホフは「三人姉妹」をインテリ女性4人の話だと言いました。

タイトル通り「三人姉妹」のお話しですから、
主人公はオーリガ・マーシャ・イリーナですが、
もう一人は、アンドレイの恋人(のちに妻)ナターシャです。
ナターシャの変貌がこの作品の肝となっている。
個性的な4人の女性は、今回の舞台でも本領発揮しております。

チェーホフは、その周囲の人間たちが可笑しい。

アンドレイは、三人姉妹の弟。
大学教授を期待されながら、博打で借金をつくり地元議員の職に安住している。
ヴェルシーニンは、軍の隊長。
妻と子供に悩まされ、ウンチクを垂れては癇癪を起こすひとめぼれ王子。
トゥーゼンバフは、軍人ではあるが、
育ちがよく軍人には向かない。実直のあまりどこか抜けている。
ソリョーヌイは、同じく軍のひとり。
人見知りで大勢の前ではバカなことをやらかす。
チェブトイキンは、年老いた医者ながら医者らしいことが出来ない。
その苦悩に苛まれながらも人生を悟っている。
クルイギンは、マーシャの夫で中学教師。
現状にとどまることに執着し、つまらない冗談に明け暮れる。
アンフィーサは、乳母の役目を終え、それでも使われているうちが花だとぼやく。

ここからは、世田谷区民上演グループのオリジナルとなる可笑しな面々。

フェリカは、食堂係。
チェーホフ作品には欠かせない不幸と鉢合わせる「二十二の不仕合わせ」の典型。
ドゥーニャは、メイド。
田舎育ちだがお嬢様気取り。恋に恋して恋破れる。これもチェーホフには必需。
フェドーチカとローラは、軍の楽隊員。
チェーホフならではのヴォードビルの象徴。楽器でこの作品の悲喜こもごもを表現する。
シェリーは、家庭教師で芸人。
生まれも育ちも不明なアイデンティティを模索する。家庭教師で生計をたてたチェーホフならではの知的存在。

このオリジナルの役は、本質で勝負するから特に難しい。

今回の私の演出は、台本と配役で80%完成している。
上記のオリジナル5人(フェリカ・ドゥーニャ・フェドーチカ・ローラ・シェリー)が
自由に大胆に活躍してくれれば、作品に厚みが出ると想像したから。
こと、フェドーチカ、ローラ、シェリーの三人組には勝手気ままにお任せした。
稽古で演出らしい演出はしていない。
ヒントだけをコソッと言えば、自ら考えて発想してくれた。

「三人姉妹」はオーケストラの音楽に例えられる。
オーケストラの演奏は、すべての楽器が大小高低バランスよく小気味よく奏でられなければならない。

奏でている。
初日、ダメ取りなんかできやしない。

さあ、楽日。素敵な音楽を!